≪5歳時≫

苦闘のとき。
競走馬の旬とされる4歳秋を【女王杯】戴冠のみにとどめ、5歳春を骨折全休。
掴みかけた史上最強の夢を再び手にするために、秋の死闘が始まる。

◆「京都大賞典」   【少女は再び剣を取る】   優勝

JRA記録更新となる11ヶ月ぶりの鉄砲重賞制覇、嬉しかったですね。
また姿を見れただけで十分嬉しいのに、そこで勝ってしまうのだから。
ただこの時の相手がやや小粒、そんな嫌な予感からはひたすら目を背けていました。
 

◆『秋の天皇賞』    【眠れる獅子の咆哮】   5着(勝者ダイワメジャー)

全く上位に届かないままゴール板が近付いてきた時は嘘かと思いました。
力負けなのか、東京が嫌だったのか、これもまた不明の謎ですが、
ただ1番人気に支持された事は今でもありがたい世間の評価だったと思っています。
 

◆『エリザベス女王杯』   【静かなる裁定】   2着(勝者フサイチパンドラ)

勝ち馬を捕らえられなかったのは大外回しがやや響いたからか。
しかし真の勝ち馬『カワカミプリンセス』はまだまだ前方にいましたからね。
そうなるとファンとしては3歳か4歳なら勝てていたと反論せざるを得ないです。
 

◆『有馬記念』  【断滅波/悲愴のせせらぎ】  10着(勝者ディープインパクト)

全く勝負になりませんでした。
とにかく枠入りを嫌がって嫌がって、当時場内は『ディープ』一色でしたから、
まるでそこにいる人間全体を敵に回してしまったかのようで、ひどく怖い思いをしました。

 
≪6歳時≫

夢が終わるとき。
もしくは、夢が永遠の眠りを選ぶとき。

◆「マイラーズC」    【再生のコード】    2着(勝者コンゴウリキシオー)

それは嬉しかったです、もう駄目なのかなと思った矢先の上がり32.7秒。
このタイムは並の最強には出せない、史上最強のみに許された時計だと思います。
しかし、本当に気まぐれな馬です。
 

◆『Vマイル』    【よみのうた】    9着(勝者コイウタ)

勝負どころか話にもならなかったレース、勝った馬が馬でしたからね。
もう二度と東京には来たくないと思いました、そして二度と来る事はありませんでした。
 

◆「スワンS」   【眠り姫の思想】   4着(勝者スーパーホーネット)

内容は良好でしたが、やはり出走自体が強引でしたからね。
それも次走2200mを控えての1400m、最後は本当にドタバタでした。
 

◆『エリザベス女王杯』    【夢の最果て】    3着(勝者ダイワスカーレット)

終わったな・・・という感想。
今までただ夢だけを見て走り続けてきましたが、ここが終着なんだと思いました。
同時に、彼女には随分な無理をさせてしまったと、ふと申し訳なくも思いました。
 
 

≪全ての後で≫

 
こうして振り返ってみると、本当に「夢」だったなと思います。
あの夏の日に初めて目にし、なのに最後まで手にする事が出来なかった夢。
それは「牝馬史上最強」の称号を手にする夢でした。
もちろんあの【宝塚記念】だけで十分その称号を得る権利はあるのですが、
『ヒシアマゾン』,『メジロドーベル』,『エアグルーヴ』・・・
並みいる名牝の追随を許さず完全な“最強”に襲名するには、
どうしてもあと一つ混合G?の制覇が必要だったのです。
 
しかし最盛期を棒に振り、その後引退を延ばし戦績にムラを増やしてしまった事で、
この馬を史上最強と認定してくれる方は少ないかもしれません。
それでも他の名牝にはない“個性”を見せつけつつ、
牝馬史上2位の賞金を獲得した事は史上最強の証だと私は信じています。
そして今後も「史上最強牝馬はこの馬だ」と胸を張って言い続けていきたいと思います。
 
 

               『スイープトウショウ』
 

 
      01年5月9日生 父「エンドスウィープ」 母「タバサトウショウ」
 
      主戦:角田晃一,池添謙一   所属厩舎:渡辺栄→鶴留明雄
 
     戦績:24戦8勝(重賞6勝)   獲得賞金総額:7億4480万円
 
    主な勝ち鞍:【ファンタジーS】、【チューリップ賞】、【京都大賞典】、
         【秋華賞’04】、【宝塚記念’05】、【エリザベス女王杯’05】

 
本当にお疲れさま・・・そして、夢をありがとう。

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