【イーストロード3】
2007年12月5日 時の小説(旧)「イースト・ガール」
美穂が部屋に来る。
今日もまた、宇宙船に乗り込んだような不思議そうな顔をしている。
一週間、健全なキャンパスライフを送ってきた彼女からすれば、
一週間、全く変化していないこの部屋の光景が珍しいのだろう。
彼女は毎週土日にやって来て、
毎週月曜にこの部屋に住む変人の観察記録を友人たちに発表しているらしい。
普段、足場がなくなるまで決して掃除をしないわりに、
いざ部屋を綺麗にすると一つの糸くずも見逃さなくなる私が面白いのだという。
今まで散々毛嫌いされてきた私の細かな性質を面白いのだという。
時々、何の悪気もなく手痛い一言を浴びせてくる時もあるが、
何の悪気もないふりをして浴びせてくる人間よりよほどましである。
なぜならその時、その場所に悪魔はいないのだから。
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