「イースト・ホラー」
 

知人が開いた雑貨店を訪ねて青山に出る。
表参道を急ぐ途中「手相を見せて下さい」と近付いてきた女性がいた。
渋谷から離れて閑静な界隈だが、かえって目立つのがこの路上勧誘である。
手を見せた挙句、中には最終的に高額の商品を買わされたケースもあるのだという。
 
私にとって彼らの存在は、
報道番組で見かける凶悪犯とは一種違った「恐怖」である。
見たところまだ二十歳過ぎの学生である。
この女性が、この笑顔の後に、通行人から金銭をだまし獲る。
一体どれだけの罪悪感を振り払いながら行為に加担しているのか。
あるいは罪悪である事すら認識していないのか。
一体、今までの人生で何を見てしまえばこうなってしまうのか。
あるいは何も見なかったからこうなってしまったのか。
考えれば考えるほど、彼女の存在は私にとって「恐怖」なのだ。

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