「イーストロード1」
2012年4月23日 時の小説・2012~「イースト・プロローグ」
時々、ここは世界のゴミ箱ではないかと思う。
昼夜うごめく工場の群れ、欲望に浸り溺れる若者達、生気の無い大人達の顔。
田舎の過疎地帯になら、まだ老人と田園に造られた静寂という名の救いがあるだろう。
だがこの町に救いは一つもない。
ただ時が止まったままの廃墟の町。
自力で抜け出すまで、救われる事など決してない。
そう、ここは世界のゴミ箱なのだ。
東京に来て、もう五年の月日が流れる。
私の静かな歩みなど、気を許せばあっという間にこの闇に飲まれてしまいそうだが、
それでも記そうと思う。
この五年、堕落と快楽の記憶。
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