「イーストロード12」
2012年5月23日 時の小説・2012~「イースト・プロミス」
美穂と新宿で会う。
いつも通りレディスのショップをひたすら連れ回された後、
美穂が突然、お気に入りの場所に連れて行ってと言う。
考えた挙句、「面影屋珈琲店」という喫茶店に連れて行く。
一階が喫煙席、地下が禁煙席だった。
「何で禁煙のアタシ達が地下に行かなきゃなんないの?」
と割とでかい声で言うので、
ここは隣席との距離があるから一階でも大丈夫だとなだめる。
すると美穂が小さな箱を取り出して、見てと言う。
そこには二つの指輪があった。
その日は私の誕生日で、それはペアリングだった。
自分の分まで買うところが何となく美穂らしいなと思いつつ、
「ありがとう」と言う。
その後、隣の席に若い四人組が座って大声で話し出した。
あまりに声が大きいため、すぐ店を出る事になった。
すると美穂が、
「一年後、もう一度ここに来よう、その時は、静かに話そう」
と言った。
それは約束だった。
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