「イースト・ルック」

美について考えていた。
美は人に何をもたらすのか。
美しい者、醜い者、両者の生き様は大きく分かれる。
美しい者はただひたすら自らの美に群がる者たちと共に奢り、
醜い者はただひたすら自らの醜さを嘲笑う者から目を背ける。

美しいと聞いて思い出すのはあの女だ。
かつて私の全てを吸収し、焼却しようとしたあの女。
生まれ持った美があの女から奪ったものは数知れず、
それは一言で言うなら「大切なもの」だった。
そして与えたものは、一見まばゆく、一見華々しく、実際は腐ったものばかりだった。

では人は醜ければいいのか。
万人から醜いと言われる者が幸せなのか。
分からない。
いや、分かるはずだ。
美は心の外側にあり、幸せは心の中にあるのだから。

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