「イーストロード38」
2012年10月10日 時の小説・2012~「イースト・タイフーン」
部屋中の家具が飛ぶ。
美穂が私の家具や小物を手当たり次第投げ始めたのだ。
ただ家具が散乱しても、普段の散らかり様とはあまり変わらなかったが。
「佐藤理花って誰」
美穂は突き止めていた。
実は私の携帯電話は日頃から欠かさずチェックしていたのだという。
あまりにあっさり言われたので正直亜然となった。
どれだけ家具が壊れても、どれだけ謝っても、美穂の激昂は収まらなかったが、
時計が私の頭にぶつかった瞬間、部屋は静まり返った。
出血はなかったが美穂は丁寧に応急処置を済ませると、
静かに、部屋を出て行った。
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