【タイムハート4(後編)】
2013年5月1日 タイムハート「職員Tを痴漢で逮捕」
当然その記事には驚いたが、私が誰なのかを一発で当てた事はさらに驚きだった。
当時は何かの間違いではないかと思ったが、
今や常習だったのか否かを疑うまでに至っている。
「愛嬌」とでも言うべきか、これより恐ろしいものはない。
「格好が良い」という要素も恐ろしいが、愛嬌の恐ろしさはその比を遥かに超えている。
美は確実に精神の成長を妨げ、その身を堕落へといざなっていく。
だからこそ私はクリックする瞬間に、無意識に「Tかもしれない」と思った。
美しくて優しい人間が現れた時、私は決して信用しない。
完璧な人間はいない。
完璧な人間だと思わせる者がいれば、その裏に猛烈な毒を隠し持っているという事なのだ。
今、データに残っているのはTが長崎に野菜のレポートに行った回だけである。
これを消せば二度と笑っているTを見る事はできないだろう。
しかし事件以降、私はその放送を見ていない。
なぜなら今やTを見るのが悲しく、そして何よりその笑顔がおぞましいからだ。
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