「ソチオリンピック・フィギュアを振り返る」

◆浅田真央選手のフリーが凄かった理由(2)


凄かったのは「演技全体に全くミスがなかった」事なのですが、
技術的に2つの要素が決め手となった思います。
まず3回転3回転。
と書くと非常に安っぽいんですよね、今回はほとんどの選手が3-3を飛んでいたので。
浅田真央が飛んだのは3フリップ-3ループ、これがいかに凄いジャンプか。
2つ目にループをつける場合、最初のジャンプから全て右足で離氷→着氷→離氷→着氷。
そんなの出来るかという感じですが、さらに仰天したのは昔コーチが語っていた事。
「3F-3Loを飛ぶ場合、最初のフリップを綺麗に降りれば飛べるわけではない。
2度目のループを飛ぶためにピンポイントの角度でフリップを降りる必要がある」。
ちなみに男子選手ですら2nd3ループは誰も飛びません、理由は「アブないから」。
浅田真央の代名詞と言えばやはりトリプルアクセルですが、かなり力強い印象が大きく、
むしろ浅田真央らしいと言われるのはやはりこの絶妙のバランスが要求される3F-3Lo。
よく海外の解説者が「effortless (軽やか)」と言うくらい、浅田真央は綺麗に飛びます。
しかし、回転不足という日本つぶしルールが導入されて、
浅田はセカンドに3ループをつける事が難しくなってしまい、何年も飛んでいなかったため、
今回飛んだ時ファンは「おー」じゃなく「え?!」となった人が多かったと思います。
それくらい今回のは美しかった。

2つ目の要素はやはり3サルコウでしょうか。
浅田真央が最も苦手とするジャンプ、成功率も5割を切っているため、
毎回飛ぶたびにファンは「ヤバい!」という感じになるのですが、今回は意地で着氷。
本当に得点が少ないジャンプなんですよね、ダブルアクセルに変えればいいのにと言うくらい。
この2要素を組み込んだ事により「エイトトリプル」
さらに全種類のジャンプを演技に組み込む事に成功し、浅田真央は伝説になったという感想。
もしかすると最初の3アクセルの印象が薄れるくらいその後のジャンプも凄かったため、
本人が「史上最高の演技」と評する事になったのかもしれません。
(つづく)

コメント

この日記について

日記内を検索